「ブラック企業!?」の巻

旧約聖書 創世記 31:38〜42
 

 今、ブラック企業とか、ブラックバイトっていうのが問題になってますよね。入社してみたら初めと条件が違っていたとか、過酷な労働をさせられたとか、と言うような問題です。でもこういうことって、最近表面化して来ただけで、結構昔からあったんじゃないかと思いますよ。それが証拠に、聖書にだってそんな話が出て来るんですから・・・
 旧約聖書に、ヤコブっていう人が出てきます。ところがこのヤコブ、なかなかずる賢い男でして、策略によって、自分の兄が受けるはずだった祝福を横取りしてしまうんです。しかし兄の復讐を恐れたヤコブは、遠方の親戚、ラバンの所に身を寄せ、その羊飼いの仕事を手伝う事になるんですね。そこでヤコブはラバンの娘、ラケルを好きになってしまい、彼女と結婚しようとします。まあここまでは、仕事も恋もいい具合にいきそうですよね。ところがこのラバン、なかなかのブラック経営者だったようです。ヤコブは、ラケルと結婚するために7年間、ラバンの元で働きますって約束するんですが、それはつまり、ほとんど無報酬で働くっていうようなものです。ところが恋の力は恐ろしいもので、ヤコブにとって7年間なんかは、あっと言う間に過ぎ去りました。そしていよいよ、念願のラケルと結婚できるっていう時に、なんとラバンは、ラケルの姉のレアを妻として与えるんです。(当時は一夫多妻だったようです)当然、抗議するヤコブに対して「いや〜この地方では、妹の方が姉より先に結婚する事はできないんじゃよ〜」とか何とか言って、ラケルと結婚するためにはもうさらに7年間、わしの元で働きなさいっていう条件を出すんです。結局ヤコブは、その14年を含めて、20年間もラバンの元でただ同然に働いたんです。しかもその労働環境は決してよいものではなかったようです。ヤコブは、厳しい暑さ寒さを耐え、理不尽な要求でも自分が責任を負い、不正な事もせず一心に仕えて来たにもかかわらず、ラバンは報酬の約束をころころと変えたっていうんです。これってひどい話だと思いませんか?
 しかしその中で、神様ご自身が、ヤコブに自分の故郷に帰るようにとのお告げを与えられるのです。そこでヤコブは、自分の家族や、そこで自分が得た家畜を連れてラバンの元を旅立ち、やがて仲たがいした兄とも和解する事ができるようになるんです。ここまで見て分かるように、ヤコブのたどった人生は数奇なものでした。自分中心で、兄をも出し抜くような人物だったヤコブが、ラバンの元で苦労するうち、人間的にも砕かれて行くんです。そしてそのヤコブを、神様が呼び出されて、故郷に帰らせて下さったんです。こう考えると、ラバンの元にいた事も決して無駄ではなかったようですね。もちろん、ラバンのような主人には誰だって仕えたいとは思わないでしょう。でもすべては、ヤコブという人間を訓練するための、神様のご計画だったと言えるのかも知れませんね。この後ヤコブの子孫が増え広がり、イスラエルという民族になって行くわけなんですが、そのためにもヤコブは変えられなければならなかったんですよね。
 私達も、時には忍耐しなければならない事もあるかも知れません。でもその中でも誠実に、また神様を信じて生きて行くなら、神様は全ての事を益に変えて下さるに違いないですよ!

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