「浮動票?」の巻

旧約聖書 列王記第一 18章19〜22節
 

 前回、「待つの。」っていうお話の中で、エリヤって言う預言者が、バアルの預言者450人と対決して、見事に勝利したって言いましたね。今回はちょこっとその補足をしてみますね。(詳しくは前回の「待つの。」を読んでください)
 さてこの時、カルメル山っていう山には3種類の人々が集まっていたんです。まず真の神様を信じるエリヤ、次に偶像(つまり作り物)の神であるバアルを信じる預言者達です。そしてそれだけではなくって、その場にはもう1種類の人達がいました。さてそれはどんな人達でしょうか。エリヤはその人達に向かってこう言っているんです。「あなたがたは、いつまでどっちつかずによろめいているのか。もし、主が神であれば、それに従い、もし、バアルが神であれば、それに従え。」
 つまり、そこにはどっちつかずの人達がいたって事です。彼らは真の神様を信じるわけではなく、かといってバアルも信じるわけではありませんでした。もしかしたら、ある時には真の神様、ある時にはバアル、というように、信じる神様をコロコロと変えていたのかも知れません。この人達は、選挙で言うと浮動票のようなものです。つまり特定の支持政党を持たなくて、その場の状況によって誰に投票するかが変わる人達です。そして選挙においては、この浮動票の人々が大きなポイントになって来るんです。もし大量の浮動票の人々を取り込む事ができたら、選挙の時、随分と有利になる訳ですから。
 同じように、このエリヤとバアルの預言者達との戦いも、この「どっちつかずの人々」が大きなポイントになりました。この戦いは、どっちの神様が本物かを証明するための戦いだと思われているようですが、実はそれだけじゃなく、この「どっちつかずの人々」の目を覚まさせるための戦いだったとも言えるんです。なぜなら、エリヤの神様が勝利した時、この人々はこう言ったんです。「民はみな、これを見て、ひれ伏し、『主こそ神です。主こそ神です』と言った。」エリヤの信じる神様が、祈りに答えていけにえの祭壇に火を下された時、その圧倒的な力を見た人々は、どちらが本物の神様かという事がはっきりと分かったのです。
 さて、バアルの預言者達との預言者バトルには勝利したエリヤでしたが、実はそれだけで戦いが終わった訳ではありません。今度はこの後、実際の戦いになる訳なんです。しかしいくらエリヤでも、さすがにひとりで450人のバアルの預言者と戦って勝てるものではありません。しかしエリヤは実際の戦闘でも完全勝利を取る事ができたんです。なぜかと言うと、それまでどっちつかずだった人々が一機にエリヤ側につき、バアルの預言者達と戦ったからです。要するに、浮動票の人々を味方につける事に成功した訳ですね。
 このように、真の神様の力って、ただ奇蹟を行うだけじゃないんです。どっちつかずの人々の目を覚まさせる事だってできるんですね。そして今度は、その人達が味方になって行く訳です。今の世の中、どっちつかずの人が多いな〜、なんて嘆いてはいませんか?でもそれはチャンスかも知れませんよ。なぜならその人々は、本物を見さえすれば、変って行く可能性を持った人々かも知れないんですから!

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