「伏線回収!」の巻

新約聖書 使徒の働き 11章19〜26節
 

 ドラマなんかで、ある前ふりがあって、それがやがて話の展開に関係して来るような方法を「伏線を張る」なんていいますね。そしてその伏線をうまく利用する事を「伏線回収」と言うそうです。反対に、張った伏線を忘れてしまっていたり、うまく利用できなかった場合は「伏線未回収」となる訳ですね。そして優秀な作家や脚本家ほど、この伏線をうまく利用できるんです。さて、神様だって結構、伏線を張っておられるって事、知っていましたか・・・
 キリスト教って、今や世界宗教ですよね。それは初代のクリスチャン達が命がけで海外宣教を行った結果と言えるんですけど、その起こりが聖書の「使徒の働き」っていう所に書いてあります。アンテオケっていう教会から、パウロとバルナバという人達が海外へ派遣されて行ったんですけど、それがまあ、世界最初の海外宣教師だと言えます。ところが、アンテオケ教会からいきなり、さあ宣教師を送るぞってなった訳じゃなくて、そこに行くまでにいくつかの伏線があったんです。
 まず、エルサレムっていう所に世界最初の教会があったんですが、そこがひどい迫害に遭って、信者達があちこちに散らされてしまったんです。その中の何人かが、アンテオケっていう所に行ってイエス様の事を伝えたもんだから、そこに教会ができました。でもまだ次の段階がありました。当時のクリスチャン達は、多くがユダヤ教から回心した人達だったんですが、ユダヤ教っていうのは、ユダヤ人しか救われないって考えていたんです。だから当然、外国に宣教師を送ろうなんて考えもなかった訳です。ところがそこで、こんな事件が起こりました。神様が弟子のペテロに、実に不思議な幻を見せられるんです。それは、今までユダヤ教では食べてはいけないとされていた汚れた動物を、今度は神様がさあ食べなさいって言う幻でした。これはつまり、イエス様によってどんな国の人だってきよめられるんだから、例え外国人であっても、救われるんだって事です。その事をやがてエルサレム教会も受け入れるんです。そして3つ目は、アンテオケに、エルサレム教会からバルナバって人が助っ人として派遣されるんですが、彼がパウロって言う人を連れて来るんです。パウロって言うのは、元々はクリスチャンへの迫害者だったのが、回心して熱烈な伝道者になったっていう人でした。でも、彼の命を狙う者達がいたりして、今まで働きの場がなかったんです。そんなパウロをバルナバがアンテオケ教会に連れて来たんですが、まあこれが大当たりでした。彼には宣教師の素質があったようで、アンテオケから3度に渡って海外宣教に乗り出して行くんです。そのおかげで、ユダヤ以外の国々にもイエス様の事が伝えられて行ったんですね。
 とまあ、こんな具合で、神様は海外宣教を行われるまでに、いくつかの伏線を張っておられました。エルサレム教会の迫害、外国人も救われるという幻、パウロのアンテオケ着任などです。そして神様はこれらの伏線を、海外宣教の実現という結果において、見事に回収された訳です。こう考えて見ると、神様って最高の脚本家じゃないですか。そして私達だって神様の脚本の中に組み入れられているんですよ。私達の人生にどんな伏線が張られていて、それをどう回収されるのか、楽しみにしていましょうね!

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